こんにちは。はれまちクリニック副院長の小野弘登です。
「帯状疱疹のワクチン、種類があってどっちが良いかわからない」
「高い方(シングリックス)を勧められたけど、本当に値段分の価値はあるの?」
そんな疑問をお持ちの方へ。
実は、2025年に改訂された日本皮膚科学会の『帯状疱疹診療ガイドライン』において、ワクチンの評価がより明確になりました。
結論から申し上げますと、医学的な「予防効果」で選ぶなら「シングリックス(不活化ワクチン)」、値段で選ぶなら「水痘ワクチン(生ワクチン)」を推奨します。その根拠を、最新データを用いてわかりやすく解説します。
ガイドラインが示す「圧倒的な差」
日本には現在、2種類のワクチンがあります。
昔からある「水痘ワクチン(生ワクチン)」と、最新の「シングリックス(不活化ワクチン)」です。
ガイドラインに掲載された臨床データを比較してみましょう。
| 特徴 | ① シングリックス | ② 水痘ワクチン(従来型) |
| 種類 | 不活化ワクチン(最新) | 生ワクチン(昔からある) |
| 発症予防効果 | 97.2% (50歳以上) | 約 51.3% |
| 70歳以上の効果 | 91.3% (高いまま維持) | 約 38% (大きく低下) |
| 効果の持続 | 10年以上 | 5年程度で効果が消える |
| 接種回数 | 2回 (2ヶ月あける) | 1回 |
| 費用(税込) | 22,000円 × 2回 | 8,800円 × 1回 |
| 副反応(痛み) | 出やすい(腕の痛み・腫れ) | 少ない |
※費用は当院の自費診療価格(予定)です。
なぜ「シングリックス」が選ばれるのか
表を見ていただくと一目瞭然ですが、シングリックスの特徴は「高齢になっても効果が落ちないこと」です。
従来のワクチンは、年齢とともに予防効果が下がり、70歳以上では38%程度まで低下してしまいます。
一方、シングリックスは70歳以上でも90%以上の予防効果を維持します。帯状疱疹が重症化しやすい高齢の方ほど、シングリックスを選ぶ医学的メリットが大きいです。
また、最新の調査では「接種から10年経っても効果が持続している」ことが確認されました。
費用はかかりますが、「10年間の安心を買う」と考えれば、コストパフォーマンスは決して悪くありません。
デメリットは「副反応」
1点デメリットがあります。それは「注射部位の痛み」です。
シングリックスは強力な免疫を作るため、接種した腕の痛みや腫れ、倦怠感などが比較的高い頻度(7割程度)で起こります。
しかし、これは「免疫がしっかり作られている証拠」でもあります。数日で治まりますので、帯状疱疹の激痛や後遺症(神経痛)のリスクと比べれば、乗り越える価値は十分にあると私は考えます。
18歳以上の方も対象になりました
これまで50歳以上が対象でしたが、ガイドライン改訂に伴い、「帯状疱疹になるリスクが高いと考えられる18歳以上の方」もシングリックスを接種できるようになりました。(※病気治療中で免疫が低下している方などが対象です)
「帯状疱疹で痛い思いをしたくない」「後遺症を残したくない」という方は、迷わずシングリックスをご検討ください。どちらが良いか迷われる場合は、診察室でお気軽にご相談ください。

【参考文献】
- 帯状疱疹診療ガイドライン 2025(日本皮膚科学会)
- 日皮会誌:135(3),527-556,2025
コメント