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【円形脱毛症】なぜ私の髪が抜けるの?「免疫の暴走」と「再発」の仕組み

はれまちクリニック副院長の小野弘登です。
円形脱毛症になった患者様から、一番多く聞かれる質問は「なぜ私が?」というものです。
ストレスが原因と言われがちですが、医学的にはもっと明確な理由があります。
それは、体を守るはずの免疫細胞が、誤って自分の髪を攻撃してしまう「自己免疫疾患」だからです。

目次

免疫細胞の勘違い

通常、毛根は「免疫特権」というバリアで守られており、免疫細胞の攻撃を受けません。
しかし、何らかのきっかけ(ウイルス感染や体質など)でこのバリアが壊れると、リンパ球(T細胞)が毛根を「敵だ!」と認識して一斉攻撃を仕掛けます。
攻撃された毛根はびっくりして、成長を止めて休んでしまいます。これが急激な脱毛の正体です。

良いニュース:毛根は死んでいません

重要なのは、この攻撃を受けても「毛を作る工場(幹細胞)」は生き残っているということです。
つまり、免疫の攻撃さえ止めれば、髪はまた必ず生えてきます。円形脱毛症が「治る病気」である理由はここにあります。

攻撃を指揮する「JAK(ジャック)」という経路

最近の研究で、免疫細胞が攻撃命令を出す際に「JAK-STAT(ジャック・スタット)」という通信経路を使っていることが分かりました。
この通信経路を遮断してしまえば、攻撃命令がストップし、毛根は再び活動を始めます。
これが、次回の記事で解説する最新治療「JAK阻害薬」のメカニズムです。

まとめ

円形脱毛症は、あなたの心が弱いからなるのではありません。体の免疫システムの誤作動です。
原因が分かっているからこそ、医学的な治療法が存在します。一人で悩まずご相談ください。

参考文献

https://www.jscimedcentral.com/jounal-article-info/Journal-of-Dermatology-and-Clinical-Research/Research-Progress-of-Janus-Kinase-Inhibitors-in-Treatments-of-Alopecia-Areata-11925
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10179687/

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はれまちクリニック/新潟県上越市

小野 弘登のアバター 小野 弘登 はれまちクリニック副院長 / 皮膚科専門医

小野 弘登(おの ひろと)/日本専門医機構認定皮膚科専門医
金沢医科大学 医学部医学科卒。同大学 皮膚科学講座にて学内講師・病棟医長として、皮膚がん・重症感染症・希少疾患などの専門診療と臨床研究に従事。The Journal of Dermatology、Dermatologic Therapy、臨床皮膚科 など国内外の医学誌に筆頭著者として複数の論文を発表。JAAD Case Reports(米国)、Frontiers in Medicine / Pediatrics / Genetics(スイス)、Molecular Genetics and Metabolism Reports(Elsevier)など海外学術誌の査読も務める。金沢医科大学医学会 論文表彰(2024・2025年)受賞。現在は同大学 非常勤講師を兼任。
現在は新潟県上越市土橋の はれまちクリニック副院長 として地域診療にあたっています。本ブログでは、論文と日々の臨床経験に基づいた皮膚科情報を、上越地域の皆様にお届けします。

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