1. ワクチンの「生」と「不活化」を知っていますか?
ワクチンには大きく分けて2つのタイプがあります。
- ロタウイルス:1価,5価
- BCG
- 麻疹・風疹混合 (MR)
- 麻疹 (はしか)
- 風疹
- 水痘
- 帯状疱疹(水痘ワクチンを使用)
- B型肝炎
- 肺炎球菌 (15価,20価結合型)
- 百日咳・ジフテリア・破傷風・不活化ポリオ・インフルエンザ菌b型混合 (DPT-IPV-Hib)
- 百日咳・ジフテリア・破傷風・不活化ポリオ混合 (DPT-IPV)
- 百日咳・ジフテリア・破傷風混合 (DPT)
- ポリオ (IPV)
- インフルエンザ菌b型 (Hib)
- ジフテリア・破傷風混合トキソイド (DT)
- 日本脳炎
- ヒトパピローマウイルス (HPV):2価,4価,9価
- インフルエンザ
- 新型コロナ
- 肺炎球菌 (23価莢膜ポリサッカライド)
- 帯状疱疹
アトピーの新薬(JAK阻害薬や生物学的製剤)を使っている間は、体の免疫にブレーキがかかっている状態です。そのため、生ワクチンを打つと、弱められたはずのウイルスが体内で増えてしまい、病気を発症してしまうリスクがあるのです。
2. お薬別:ワクチン接種の○×一覧表(2026年版)
ご自身が使っているお薬と、ワクチンの相性を確認してみましょう。
| お薬の種類(製品名) | 不活化ワクチン (インフルエンザ注射など) | 生ワクチン (フルミスト、麻疹風疹など) |
| 飲み薬(リンヴォック、サイバインコ、オルミエント) | ○ 可能 | × 行わないこと |
| 注射薬(デュピクセント、アドトラーザ) | ○ 可能 | ×避けること |
| 注射薬(ミチーガ) | ○ 可能 | △ 患者の状態を慎重に確認し、十分な注意を払うこと |
3. インフルエンザワクチンの注意点
特に注意が必要なのが、2024年から本格的に導入された「フルミスト」という鼻にスプレーするタイプのインフルエンザワクチンです。
・フルミスト:生ワクチンです。リンヴォックなどの飲み薬を使っている方は受けられません。
・従来の注射:不活化ワクチンです。アトピー治療中の方も、全種類のお薬で受けられます。
痛くないフルミストを選びたくなりますが、アトピー治療中の方は「いつもの注射」を選びましょう。
4. 帯状疱疹ワクチンの選び方
特にリンヴォックなどのJAK阻害薬を飲んでいる方は、副作用として帯状疱疹が出やすくなるため、ワクチンの接種が推奨されます。ここでも2種類あります。
・シングリックス(不活化):○ 接種可能です。予防効果も非常に高く、当院でも推奨しています。
・ビケン(生ワクチン):× 治療中は受けられません。
治療中に帯状疱疹を予防したい場合は、必ず不活化ワクチンの「シングリックス」を指定してください。
5. 小児アトピー治療を受けているお子様へ
最近では、小児用のアトピー注射(ミチーガやデュピクセント)も普及しています。お子様の場合は、学校で受ける定期接種(麻疹風疹、水痘など)が生ワクチンであることが多いです。
治療を始める前に、必要なワクチンが終わっているか確認することが大切です。もし治療中に接種時期が重なった場合は、主治医と相談してスケジュールを調整しましょう。
結語:重症の方・全身管理が必要な方へ
当院ではアトピー性皮膚炎の最新治療を行っておりますが、もし以下のような状況にある場合は、クリニックではなく、皮膚科専門医が常駐し、他科との連携がスムーズな総合病院への受診・紹介をお勧めすることがあります。
・全身の皮膚が真っ赤になり、寒気や発熱を伴っている。
・アトピーの悪化に加え、重い感染症を繰り返している。
・免疫抑制剤の使用中に、広範囲の帯状疱疹やカポジ水痘様発疹症が出て体調が著しく悪い。
高度な免疫治療を行うからこそ、安全性が第一です。ご自身の体調とお薬の特性を正しく理解し、適切なワクチン計画を立てていきましょう。気になる方は、お薬手帳を持って診察室でご相談ください。

引用文献
・経鼻のインフルエンザ生ワクチン(フルミスト点鼻薬)の摂取時に注意について
・乾癬における生物学的製剤の使用ガイダンス (2022 年版)
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