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「低温やけど」の怖さと正しい処置

こんにちは。はれまちクリニック副院長の小野弘登です。
寒い夜、湯たんぽや電気アンカを使って寝ている方も多いのではないでしょうか。
とても気持ちが良いものですが、実はそこに大きな落とし穴があります。

「朝起きたら、足に赤いアザができていた」
「痛みはないけれど、皮がめくれている」

もしこのような症状があれば、それは「低温やけど」かもしれません。
普通のやけどよりも重症化しやすいこの病気について、皮膚科専門医が解説します。

目次

お風呂でもやけどする?

「やけど」というと、熱湯や炎などの熱いもので起こるイメージがありますよね。
しかし、低温やけどは「心地よい温かさ」で起こります。

例えば、44℃(少し熱めのお風呂くらい)の温度でも、6時間以上肌に触れ続けていると、皮膚の奥深くでじっくりと細胞が壊れていきます。
46℃なら、たった1時間で危険な状態になります。
「熱い!」と感じて飛び起きる普通のやけどと違い、寝ている間に痛みなく進行するため、気づいた時には重症化していることが多いのです。

「痛くない」のが一番危険なサイン

ここが最も重要なポイントです。
患者様から「痛くないので、様子を見ていました」と伺うことがよくありますが、実は逆なのです。

痛みを感じないということは、皮膚の表面だけでなく、奥にある「痛みを感じる神経」まで焼けてしまっている可能性があります。
これは、皮膚科医から見ると非常に危険なサインです。
表面の赤みは小さくても、皮下の脂肪層まで壊死(えし)していることがあり、治るまでに数ヶ月かかったり、手術が必要になることもあります。

水ぶくれの対応は皮膚科専門医の診察が必要

もし水ぶくれができてしまっても、自分で針で刺したり、皮を剥いたりしないでください。
水ぶくれの皮は、雑菌から傷を守る「天然の絆創膏」です。
これを破ってしまうと、バイ菌が入って化膿したり、治りが遅くなることがあります。

自己判断で市販薬を塗る前に、まずは皮膚科を受診してください。
早期に適切な処置を行うことが、傷跡を最小限にするための鍵です。

小野 弘登のアバター 小野 弘登 はれまちクリニック副院長 / 皮膚科専門医

小野 弘登(おの ひろと)/日本専門医機構認定皮膚科専門医
金沢医科大学 医学部医学科卒。同大学 皮膚科学講座にて学内講師・病棟医長として、皮膚がん・重症感染症・希少疾患などの専門診療と臨床研究に従事。The Journal of Dermatology、Dermatologic Therapy、臨床皮膚科 など国内外の医学誌に筆頭著者として複数の論文を発表。JAAD Case Reports(米国)、Frontiers in Medicine / Pediatrics / Genetics(スイス)、Molecular Genetics and Metabolism Reports(Elsevier)など海外学術誌の査読も務める。金沢医科大学医学会 論文表彰(2024・2025年)受賞。現在は同大学 非常勤講師を兼任。
現在は新潟県上越市土橋の はれまちクリニック副院長 として地域診療にあたっています。本ブログでは、論文と日々の臨床経験に基づいた皮膚科情報を、上越地域の皆様にお届けします。

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