「ステロイドは副作用が怖いから、なるべく使いたくない」
そのお気持ち、よく分かります。しかし、怖がるあまり少量ずつダラダラと使い続けることが、実は一番のリスクになることをご存知でしょうか?
今回は、アトピー性皮膚炎治療について解説します。
目次
「ちょびぬり」の危険性
炎症が強いのに、弱い薬を少しだけ塗る。あるいは、良くなりかけですぐに止める。
これを繰り返すと、火事が完全に消えずに種火が残り、すぐに再燃してしまいます。
結果として、「一年中ずっとステロイドを塗り続けている」状態になり、皮膚が薄くなるなどの副作用リスクが高まります。
■正しい戦略:プロアクティブ療法
当院では、以下のステップで治療を行います。
| ステップ | 塗り方 | 目的 |
| 1. リアクティブ療法 | 強い薬をしっかり塗る | まずは火事(炎症)を一気に消火する |
| 2. プロアクティブ療法 | 薬を塗る間隔を空ける | 週末だけ塗るなどして、再燃を防ぐ |
| 3. 寛解(ゴール) | 保湿剤のみで維持 | 薬がいらない肌をキープする |
小児の塗布量の目安
お子様の体は大人より小さいですが、成長に合わせて必要な量は変わります。
| 年齢 | 顔・首に必要な量 | 体幹(お腹・背中) |
| 6ヶ月 | 1 FTU | 2.5 FTU |
| 3~5歳 | 1.5 FTU | 6.5 FTU |
| 6~10歳 | 2 FTU | 8.5 FTU |
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まとめ
ステロイドは、専門医の指導のもとで「短期集中」で使い、徐々に減らしていくのが最も安全な道です。
「いつまで塗ればいいの?」という不安に対し、当院では明確なゴール(見通し)を示しながら治療を進めます。

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