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突然の蕁麻疹、原因は食べ物?アレルギー検査で原因はわかりますか?

こんにちは。はれまちクリニック副院長の小野弘登です。
「急に蕁麻疹が出たのですが、昨日食べた魚が原因でしょうか?」
「肝臓が悪いサインだとネットで見て不安です」

診察室では、このようなご相談を毎日いただきます。
実は蕁麻疹の原因は、皆さんがイメージする「アレルギー」ではないことが多いです。
今回は、専門医の視点から「蕁麻疹の正体」についてお話しします。

目次

実は7割が「原因不明(特発性)」です

大人の慢性的な蕁麻疹の約7割以上は、特定の食べ物やウイルスが原因ではない「特発性(とくはつせい)」と呼ばれるタイプです。

これは、体の外に犯人がいるのではなく、「皮膚のマスト細胞(痒みを出す細胞)が、疲れやストレス、体質的な変化で『過敏』になっている状態」と言えます。
ですから、「何を食べたか」を必死に探しても、答えが見つからないことが多いのです。

「念のため」のアレルギー検査は推奨しません

「とりあえず全部のアレルギー検査をしてください」と希望される患者様も多いのですが、私は闇雲な検査は推奨していません。
なぜなら、蕁麻疹の原因ではない食べ物まで「陽性(反応あり)」と出てしまい、不必要な食事制限で生活の質を落としてしまうリスクがあるからです。

もちろん、問診で「食べた直後に出た」などのエピソードがあれば検査を行いますが、基本的には「原因探し」よりも「症状を抑える治療」を優先すべき病気です。

治療のゴールは内服せずに日常生活を送ること

発症して数日で治るものを「急性蕁麻疹」、6週間以上毎日のように続くものを「慢性蕁麻疹」と呼びます。
慢性化すると、治療期間は数ヶ月〜数年単位になることもあります。

慢性蕁麻疹は症状が増悪軽快を繰り返すため、自己判断で内服を中断せずに定期的な内服・受診を継続することが寛解の近道です。「たかが蕁麻疹」と放置せず、早めに専門医を受診して、マスト細胞の興奮を鎮めることが大切です。

参考文献】

  1. 蕁麻疹診療ガイドライン 2018 – 公益社団法人日本皮膚科学会
  2. Chronic Spontaneous Urticaria: A Review (ResearchGate, 2024)

小野 弘登のアバター 小野 弘登 はれまちクリニック副院長 / 皮膚科専門医

小野 弘登(おの ひろと)/日本専門医機構認定皮膚科専門医
金沢医科大学 医学部医学科卒。同大学 皮膚科学講座にて学内講師・病棟医長として、皮膚がん・重症感染症・希少疾患などの専門診療と臨床研究に従事。The Journal of Dermatology、Dermatologic Therapy、臨床皮膚科 など国内外の医学誌に筆頭著者として複数の論文を発表。JAAD Case Reports(米国)、Frontiers in Medicine / Pediatrics / Genetics(スイス)、Molecular Genetics and Metabolism Reports(Elsevier)など海外学術誌の査読も務める。金沢医科大学医学会 論文表彰(2024・2025年)受賞。現在は同大学 非常勤講師を兼任。
現在は新潟県上越市土橋の はれまちクリニック副院長 として地域診療にあたっています。本ブログでは、論文と日々の臨床経験に基づいた皮膚科情報を、上越地域の皆様にお届けします。

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