上越市にお住まいの皆様、こんにちは。はれまちクリニック副院長、皮膚科専門医の小野弘登です。
春から夏にかけて、当院の皮膚科外来には「特に何も触っていないはずなのに、急に赤いブツブツが大量に出た」「虫刺され薬を塗っても治らないどころか、ピリピリ痛くなってきた」と、慌てて受診される患者さんが増えてきます。
お話を伺うと、「草むらには入っていない」「虫に刺された記憶もない」とおっしゃる方がほとんどです。
実は、原因に心当たりがなくても、強いかゆみや痛みを伴う「赤いブツブツ」には、絶対に放置してはいけない2つの厄介な疾患が隠れていることがあります。
今回は、知らぬ間に発症する【毛虫皮膚炎】と、虫刺されと間違えやすい【帯状疱疹(たいじょうほうしん)】について解説します。
① 触らなくても刺される!?見えない「毛虫皮膚炎」
「毛虫なんて触っていない!」という方が大多数です
庭仕事や公園の散歩の後、腕や首に「赤いブツブツ」が広範囲にでき、ヒリヒリとした強いかゆみがある場合、チャドクガなどの「毛虫」による皮膚炎の可能性が高いです。下記がチャドクガです。
↓閲覧注意(毛虫嫌いな方はみないでください)

チャドクガ
「こんな毛虫なんて触ってないよ?」と思われるかもしれません。
実は、日本のデータでは患者さんの約80%が「毛虫に触れた記憶がない」という報告があります。
毛虫皮膚炎の恐ろしいところは、直接触れなくても、風で飛んできた目に見えない『毒針毛(どくじんもう)』が皮膚や衣服に付着するだけで発症してしまう点です。
⛔ やってはいけないNG行動:掻きむしる・叩く
強いかゆみがあるため、思わずボリボリと掻いてしまったり、パンッと叩いてしまいたくなりますが、これは絶対にNGです。
目に見えない細かい毒針毛が皮膚のさらに奥へ刺さったり、周囲に広がってしまい、症状が一気に悪化します。
【正しい応急処置】
まずは擦らずに、ガムテープなどでそっと毒針毛を取り除き、シャワーで優しく洗い流してから、すぐに皮膚科を受診してください。市販の弱いかゆみ止めでは太刀打ちできません。
② 虫刺されと勘違いしやすい危険な病気「帯状疱疹」
赤いブツブツが出た時、もう一つ絶対に見逃してはいけないのが「帯状疱疹(たいじょうほうしん)」です。
これは虫刺されやアレルギーではなく、水ぼうそうの「ウイルス」が原因で起こる感染症です。
【帯状疱疹のサイン・特徴】
- 痛みが先に来る: 発疹が出る2〜3日前から、ピリピリ、チクチクとした痛みやかゆみが出現します。
- 体の片側だけに出る: 右だけ、左だけなど、体の中心線を越えて両側に広がることはありません。
(※ごく稀に例外もあります。筆者自身、非常に珍しい「両側に広がる帯状疱疹」を経験して国際的な医学誌に論文報告したことがありますが、最初は自分の目を疑いました。) - 帯状に広がる: 神経の流れに沿って、帯(おび)のように赤い発疹や水ぶくれが連なってできます。
⛔ やってはいけないNG行動:ただの虫刺されだと放置する
帯状疱疹を「そのうち治るだろう」と放置するのは非常に危険です!
帯状疱疹はウイルスが神経を攻撃している状態です。治療が遅れると、発疹が治った後も「帯状疱疹後神経痛」という激しい痛みが、何ヶ月、何年も後遺症として残ってしまうリスクがあります。
発見次第、できるだけ早く(理想は発疹が出てから3日以内に)抗ウイルス薬による治療を開始する必要があります。
はれまちクリニック(皮膚科)での診断と治療
「毛虫皮膚炎」も「帯状疱疹」も、一般の方がご自身で見分けるのは非常に困難です。
皮膚科専門医であれば、赤いブツブツの「広がり方(分布)」や「症状の経過」を診ることで、原因を的確に診断することができます。
- 毛虫かぶれの場合: 炎症を強力に抑えるための適切な強さのステロイド外用薬(塗り薬)や、かゆみ止めの内服薬を処方します。
- 帯状疱疹の場合: ウルスの増殖を抑える「抗ウイルス薬」の内服を速やかに開始し、痛みのコントロールも同時に行います。
まとめ:謎の赤いブツブツは、自己判断せずに皮膚科へ!
【本日のまとめ】
- 直接触らなくても、風で飛んできた毒針毛で「毛虫皮膚炎」になる
- 片側だけの発疹や、ピリピリした痛みが先行する場合は「帯状疱疹」のサイン
- どちらも市販薬では治らず、放置すると悪化や後遺症のリスクがある
「虫に刺されたのかな?」と思っても、症状が広範囲に及ぶ場合や、強いかゆみ・痛みがある場合は、自己判断で市販薬を塗り続けず、早めに皮膚科を受診してください。
上越市の晴れ町クリニック皮膚科では、このような急な皮膚トラブルにも対応しております。

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